• 管長法話 >
  • vol.15 平和で豊かな国づくりに貢献する

vol.15 平和で豊かな国づくりに貢献する

2016/06/01

osawa_p1

合 掌 
 水無月、水の月という意味です。いよいよ梅雨に入り暑い季節に向かいます。田植えがはじまり、やがて秋の収穫時期へと移りゆきます。私たちは自然の大きなサイクルの中で生かされているということを実感し、感謝させていただく一番よい時期とも言えるのではないでしょうか。
 さて、5月末に三重県志摩市で主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催され、来日したアメリカ合衆国オバマ大統領が広島平和記念公園を訪問しました。原爆死没者慰霊碑に献花し、「核兵器のない世界」に向けたスピーチする姿をテレビでご覧になった方も多いと思います。日米両国のみならず、世界にとって非常に大きな意義のあることだと思いますが、ここではそれに触れず、訪問を受ける広島そして長崎の方々、特に被爆者や遺族の方々のお気持ちを考えてみたいと思います。
 報道等で伝え聞くところでは、被爆者や遺族に対して謝罪を希望する声もあったそうですが、米国としては謝罪することに反対であったようです。顛末として遺族の方々は謝罪することを要求せず、「核兵器のない世界」に少しでも前進することを選ばれたそうです。
 非常に素晴らしいことと感銘いたしました。私たち少林寺拳法の教えである「半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを」の精神と行動を実社会の中で見せていただいた思いです。もし謝罪があり個人として満足しても、どこかで核兵器が使用されたならば、自分も世界中の人々も悲しい気持ちになるでしょうし、何十年も悲しみ苦しみ続ける人が新たに生まれてしまいます。大統領を迎えた方々の「苦しい思いをするのは自分たちだけで十分、他の人にはこんな思いにさせたくない。」という人としての真の優しさが伝わってきます。自分の感情を抑えて、万人のための幸福を優先する判断に敬服いたしました。
 金剛禅の教えと修行は、このような人間性を養うための教えであり修行です。一人でも多くの人々がこのような強い判断ができるように私たちは自己を確立し、他の人のために優しい行動がとれるよう、日々研鑽を続けていく所存です。
 みなさまも平和な世の中を、そして豊かな社会をめざし、全国の道院で一緒に活動してみませんか。本山で、そして全国の道院で、皆様にお越しいただけることを心よりお待ちしております。
合掌再拝