vol.58 俯瞰する眼を持つ

2020/01/01

osawa_p1

合掌
 あけましておめでとうございます。
 令和となり初の新年を迎えました。
 さて、社会が変化するスピードは、年々加速しています。スマホを手に取れば、次から次へと新しいニュースが入り、世間で起きた出来事も、一般の方が報道機関よりも早く投稿されることがあります。また、国際関係の緊張、環境問題においても新たに課題が山積し、自然災害においては想定外の対応を求められるなど、ますます金剛禅の教えが必要とされる時代が来ています。
 めまぐるしく変化する世の中に適応していくには、目先のことにとらわれることなく冷静に俯瞰できる眼を持つことが大切です。どのような極限状態におかれても、揺らぎそうになる心を丹田でぐっとおさえ、自分だけでなく他人のことも考えて、その時に必要な判断と行動を私たちはとることができるはずです。
 鎮魂行では、打棒の音に動ずることなくすぐさま静から動に移ります。技術修練では、自他の動きを俯瞰し、同時に捉えられるからこそ、様々な状況に対応できます。さらに感覚を広げ、自分と相手だけでなく、その空間にいる人の気配、場全体の空気など、全体を見渡すことで、道場が活気づくように行動することもできます。
 私たちは、一人だけで生きているわけではありません。多くの関係性の中で成り立っている存在です。広く俯瞰することができれば、自分勝手に生きることはなく、社会において自分の立ち位置を知り、今、自分が何をなすべきかが見えてきます。
 私達は、日々の修行と生き方がつながる金剛禅の修行に、もっと自信を持って取り組んでいきましょう。いざという時に役立つ力は、皆さんの中に確実に養われていっています。良い種を蒔き、素晴らしい花を咲かせ、それをこの1年、2年…、10年と積み重ね、さらに多くの人が取り組んで行けば、必ず社会は良くなります。
 「半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを」
私達が豊かな社会を築く原動力となれるよう、共に励んでいきましょう。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 
合掌再拝