Vol.65 自他共楽の先にあるもの

2020/08/01

osawa_p1

合掌
 7月の豪雨災害により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。またコロナ禍において救援のボランティアをされる方、また逼迫しつつある医療現場に従事されている方々に敬意を表したいと思います。
 さて、私たちの社会は引き続きコロナ禍にあり、感染予防に努める一方で、社会を動かすために経済活動を回さざるをえないという相反する状況に置かれています。両方のバランスを取ることは大変難しいことですが、どのような時代にあっても私たちは新しい生活を作り出していかなければなりません。たとえワクチンが開発され脅威が過ぎ去ったとしても、新たなウィルスの出現やこれまでに体験したこともないような災害が発生する可能性は常に存在し続けます。
 開祖は戦時中の体験から「もう二度とこのような争いをしてはならない」という思いを強くされ、人間同士が助け合える自他共楽の世の中を作ろうと少林寺拳法を創始されました。私たちの社会は、前述のように常に危機にさらされています。いつまでも人や国同士が争っていては、人類存亡の危機が迫ったときに立ち向かうことはできません。これまでの病気や災害で得てきた経験、最新のテクノロジーなど、人々の英知を結集することでしか解決できない問題も出てくるでしょう。
 そのためには、まず家族や友人を大事にし、自分の周りから理想境を広げていこうと開祖は説かれています。個人レベルでも国レベルでも今後、乗り越えることが困難な課題は消えることはないでしょう。しかしいざというときに協力し合って乗り越えられるようになれば、不必要に恐れることはなく、乗り越えた先に必ず明るい未来が待っています。今、私たちは未来を作っている最中です。私たちが乗り越えた経験を次に生かすことができれば、未来を生きる人たちの経験知が増えることになります。
 自己確立の修行により病気や災害に打ち克つための肉体と精神を養い、自他共楽の精神を持ってこの時代を生きていきましょう。オンラインで世界中の人とつながることのできる世の中は、もしかするとより自他共楽の世の中に近づけるチャンスなのかもしれません。どうか希望を持って日々の生活を送り、理想境へと邁進していきましょう。まだまだ暑い日が続きます。熱中症予防にも気を配りながらどうか健康にお過ごしください。
合掌再拝