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Vol.72 金剛禅の教えを生き方の芯に

2021/03/01

osawa_p1

合掌
 3月に入り、寒さの中にも温かさを感じられる日が多くなりました。
 学業や仕事においては年度末の多忙な時期、特に春から進学や就職、転勤等で新しい生活が始まる方は、その準備に追われているのではないでしょうか。これまでと環境が変わるとき、そこから先に起こることはすべて未知のことです。生活のリズムやペースが定まらない中、このまま修行を継続するか迷われている方もいるでしょう。そんな時は今までの修行を振り返ってみてはいかがでしょうか。
 私たち門信徒の修行は、単に護身の技術を身に付けるためだけのものではありません。入門したての頃は、皆と同じように動き、教典を覚えることで精一杯だったのが、気づけば、日頃の考え方や判断基準、さらには人生観や価値観まで、金剛禅の教えがベースになっていたと思い当たる方も多いのではないでしょうか。
 日々の修行によりダーマの分霊としての霊性を高めることは、よりよく生きるための力を高めることです。その人の生き方の芯に影響を与えるものであり、一生磨いていかなければならない宝物でもあります。そして易筋行で得た健康で丈夫な肉体をもって自己確立・自他共楽の生き方を実践することができるのです。
 もし環境が変わって、すぐに修行を再開できない場合には、ぜひこの機会に教典を読み込むようにしてください。教典には金剛禅の教えが端的に表現されています。金剛禅の教えとは、仏祖釈尊から始まり、達磨を通じて開祖へと連綿と受け継がれてきたものです。そして、私達門信徒一人一人が受け継ぎ、次代につないでいくべきものです。教典を唱え、自分自身の生き方を問い、うまくいっていないことは脚下照顧をし気づきを得て、やり直すことができます。たとえ道院から足が遠のくことがあったとしても、生き方の根本に金剛禅の教えがあれば、日々自分を磨くことが可能です。そして道院に戻れば、いつでも修行を再開することができますので、修行は途切れることがありません。
 新年度まであと一か月。日々の修行を通じて、金剛禅の教えをご自身の生活と社会に生かしていけるよう励んでいきましょう。
合掌再拝