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Vol.79 達磨から開祖、そして私たちに引き継がれたもの

2021/10/01

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合掌
 10月に入り、爽やかな秋風を感じる季節となりました。
 毎年10月には、私たちが本尊とする達磨大師の命日と少林寺拳法創始の日があります。本山および全国各地の道院では達磨祭が行われます。達磨は正しい釈尊の教えを伝えようとした先達であり、私たちが日々励んでいる易筋行の源流でもあります。
 少林寺拳法を創始した当時、戦後の荒廃した社会において開祖がいくら道を説き、世の中の役に立つ人づくりの必要性を訴えても、誰も相手にしてくれませんでした。あれこれ思い悩んでいた時に開祖は達磨の夢を見て、これを啓示と確信します。達磨の行法を使い、拳技を手段とした人づくりの道がスタートし、今の私たちに引き継がれています。私たちは少林寺拳法と出会ったことで、どれだけ変わったことでしょう。新しいことに挑戦する勇気、他者への優しさ、仲間、豊かな人生、思い浮かべるとたくさんの恩があるのではないでしょうか。

 昨年から続いたコロナ禍において、大変なことがたくさんあったと思います。しかし、開祖が悩みに悩み続けた先に達磨の啓示を受けたように、私たちも人生における目的を見失わなければ、苦境を乗り越えていくヒントが得られるはずです。達磨のように何度転んでも起き上がる、その強さを日々の修練で養っていきましょう。世の中には電子機器や最新のアプリなどの便利なツールがありますが、それ以上に高性能で、誰もが努力によって身に付けられる少林寺拳法というツールを私たちは持っています。もしかするとまだ使われていない機能があるかもしれません。どうかその機能を引き出し、使いこなして、自分のためだけでなく、開祖が志したように、多くの人の役に立て、社会を良くする方向に使っていきましょう。

 今月は開祖が本尊とした達磨大師、そして少林寺拳法の創始に思いを馳せながら日々の修行に取り組んでいきましょう。
合掌再拝