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Vol.80 修行者であり布教者として

2021/11/01

osawa_p1

合 掌
 11月に入り、本山からの景色もようやく秋らしくなってきました。本山に届く行事報告も増え、感染対策を十分に行いながら、徐々に道院活動や各種行事が再開されていることが伺えますし、また皆様の行動力も伝わってきます。
 さて、全国各地では、毎日のようにどこかで道院活動が行われ、多くの門信徒達が少林寺拳法を手段として演練し、自己確立、自他共楽の道を同志と共に歩んでいます。精神的にも肉体的にも生涯にわたって取り組めるのが金剛禅の行ですが、「行」としての修行の意味を知り、できればそれを個人の修行だけで終わらせるのではなく、いずれは指導的立場に立ち、布教者という立場に身を置きながら修行を継続していってほしいと願っています。そうすることで、一段と人としての深みと感性が磨かれ、さらにはその人の人生も豊かにしてくれます。
 金剛禅で行う人づくりは、単に武道の技術を教えることのできる人を育てるのではなく、技もできるが教えも説ける、そして機関車のように皆を引っ張っていく影響力を持ったリーダーを一人でも多くつくることです。これは限られた一部の人が持ち合わせる素質ではなく、誰もがそうなれる可能性を持っています。日々行われる易筋行としての少林寺拳法、その入り口としての鎮魂行、教えを腑に落とす問法修学、自己の心に向き合う作務、それら一つ一つの地道な積み重ねが私たちを成長させる糧となり、人として豊かな人生を生きながら金剛禅が目指す人間像へと引き上げてくれます。
 自身が修行で得たことを自分の中だけで完結することなく、他人にも伝える努力をし、自らを成長させると信じ行動することが金剛禅運動を推進する力となり、そのことが平和で豊かな社会に、また今後の社会の発展にもつながっていくのです。自己確立、自他共楽の道は果てしなく続きますが、その分得られるものも多くなり、楽しいことも増えてゆきます。どうか修行者であるとともに、布教者としてもこの運動を広げていきましょう。自ら原動力となり、修行者として布教者として成長されますことを願っております。
 これから冬に向けて徐々に寒くなってきますが、心を温かく保ち、体調管理を十分に行って、同志と共に、金剛禅運動に正面から向き合って行動してまいりましょう。
合掌再拝