vol.09 新年を迎える前に

2015/12/01

osawa_p1

 師走、今年も残すところ1か月となりました。皆様どのような年末を過ごされるのでしょうか。のんびりと一年を振り返り新たな年を迎える余裕ある年末でしょうか。それとも年末とばかりに何から何まで終わらせようと自分を追い込み、思うように事が進まないことに腹を立て、心を乱してしまう余裕のない年末でしょうか。後者のような年末は過ごしたくないものですね。私は忙しい時ほど少林寺拳法(動禅)を行います。調息法や坐禅を行い、心を鎮め、前向きな気持ちになり、さらに相手と手をとり合い、声を掛け合い、体を動かしながら楽しい時間を過ごします。そうやって心を穏やかにしております。
 さて現代社会はインターネットやスマートフォンの普及により情報の伝達が飛躍的に早くなりました。そのため年末の挨拶や年賀状の準備等、新年を迎えるための備えも20年前と比べ、短時間でできるようになりました。また、交通手段もナビゲーション、乗換案内により誘導されるという時代になりました。
 人間がつくりだした便利なものにより操作されている私たちは、大きな錯覚をしていることに気付かなければなりません。便利は幸せとはかぎりません。人と人との関係から生まれる幸せづくりだけは速さで補う事ができません。このことは将来においても変わらないでしょう。これからの時代を担う方たちにも、このことに気付き幸せになって欲しいと願うところであります。さらに時代が変化しても仮想空間の中で育ってしまったような、自分のない人間(自己確立できていない人間)、自分しかない人間(思いやりもない自分中心の人間)がこれ以上増えないようにと思う毎日です。
 金剛禅総本山少林寺の道院では、開祖の作り上げた宗門の行としての少林寺拳法を通し、人と人が触れ合いながら「半ばは自己の幸せを 半ばは他人(相手)の幸せを」の理念を基に活動する人の輪を広げ続けております。
 互いの幸せを願い、「行」の文字が示すように、弱い人を強い人が背負い互いに向き合い調和し、互いに良いところを育てあげようとする幸せへの道を歩みたいものです。その道をつくり、活動する場が道院です。
 「新たな年を迎える前に」ぜひ一度道院をゆっくりとご見学されるというのも良い年末の過ごし方ではないでしょうか。合 掌